Javaの導入が8割を超える


 企業システム構築にJavaを導入済みの企業は、全体の54.7%。従業員3000人以上の大企業での導入実績は8割を越えることが技術者を対象にした実態調査から、このような実態が分かった。

 この実態調査記事の結果を、テーマ別に要約すると.....

1.エンドユーザーのシステム利用環境/インタフェースの統一進む

 電子メール・電子掲示板など、エンドユーザーを対象としたシステムは、平均6.2個が導入済み。さらに従業員3000人以上の大企業では、9.2個にのぼる。こうした多数のシステムを、「グループウエアのような統一された環境から利用可能」と回答した企業は全体の4割強。また、すべてではなく「7割以上のシステム」を統一環境から利用可能、と回答した企業は6割。エンドユーザー向けのインタフェースは、ある程度統一されてきていることが分かる。

2.システムの提携・統合/複雑化が進む一方、統合はこれから

 経理・財務、人事、CRMなどの導入状況を尋ねたところ、全体で4.5システム、従業員3000人以上の大企業では6.8システムに及ぶ。これら複数のシステムの基盤となるハードウエア、OS、DBも複数の環境にまたがっている場合が多い。

 このように企業システムが複雑化している一方で、システム間の連携や統合の思想が「すべてのシステム」に反映されていると回答した企業は全体の1割と少数派にとどまった。

3.DB統合/複数のDBの効率的な運用が課題

 利用されているDBでは、Oracleが全体の63.1%、SQL Serverが55.0%と多く、双璧といえる(合計が100%を越えるのは、「複数回答あり」のため)。Oracleは大企業に、SQL Serverは小企業に強い。続く製品では、企業規模が大きい場合はDB2、小企業ではPostgreSQL。特に従業員100人未満の小企業ではPostgreSQL導入が18.6%と目立つ。

 ミッション・クリティカルなDBサーバーは2~4という回答が多く、重要なデータベースが複数存在することは一般的な状況となっている。

 この複数のデータベースを、効率的に利用できる環境が整っているかというと、まだまだのようだ。すべてのDBについて別々にログインしなければならない企業が4割を占める。仮想DBから全DBへアクセスできる先進的な環境を持つ企業は1割にとどまる。

4.セキュリティ/シングル・サインオンはまだまだ

 エンドユーザー向けのアクセス制御、個人認証システムの導入は進んでいる。「ほぼすべてのシステムで導入」との回答が5割、従業員3000人以上の大企業では7割にのぼる。

 ただし、7割近くの企業でエンドユーザーは複数のIDやパスワードを覚えさせられる。ID、パスワードを一元的に管理している企業は全体の1割に過ぎないということ。

5.システム開発/小規模プロジェクトが多数派

 「最も標準的なプロジェクト」の開発要員の規模「1~9名」が65.6%。3000名以上の大企業で見ても、30名未満のプロジェクトが全体の61.9%を占める。その一方で、「500名以上」の巨大プロジェクトを挙げた回答が、3000名以上の大企業では3.1%もある。

 また、「最も標準的なプロジェクト」1件の開発期間では、「2~6カ月」との回答が64.3%を占めた。10名未満、6カ月以内の小規模プロジェクトが多数派といえる。

 3000人以上の企業に限れば、全体の6割が、各種ツールやフレームワークの具体的な標準化の作業に入っている。こういった大企業の場合、Javaを採用することが多い。全体の8割が導入済みで,このうち2割強が全システムでの統一導入を目指している。

 「Java導入済み」との回答は全体の54.7%で、普及率は過半数を越えている。その一方、100人未満の小企業では「Java導入済み」合計は37.7%とまだ低い。Java導入は大企業が多いとの傾向が明らかになった。一方、「Microsoft .NET導入済み」との回答は、28.6%である。Javaが優勢なものの、.NETも無視できない普及率となってきた。