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IT関連技術者の派遣賃金が下降

 IT関連派遣技術者の賃金は、技術の種類ごとの格差が広がっている。サポートエンジニアらの時給低下が進み、他方プロジェクトマネージャーらに対する需要は高く、時給の上昇がみられる。

 特に目立っているのは、サポートエンジニアで賃金下落が進んでいる。一般的な場合、2002年度で時給1700円程度だったのが、現在は1600円にまで下降した。他社の場合も同様で1998年2300円 ~2000円→01年1900円→02年1600~1900円と下がり続け、03年は昨年と同等~やや下降した。理由については、ユーザーのスキル向上、事例の蓄積などが背景がある。ADSLサービス関連の需要は引き続き高いが、ビジネス構造自体が収益を出しづらくなっており、それが派遣賃金にも影響している。

 プログラマーの賃金下落も顕著だ。B社にでは02年度、時給2000円前後だったのが、今年に入って100円ほど低下。中国・インドなどで海外生産を行う企業が増えたことに加え、開発ツールが効率化されたことなどが理由といっている。人気の高かったJava関連についても、下げ幅は少なかったが、横ばいもしくは下落傾向にある。

 一方で比較的堅調なのは、ネットワークやデータベース関連で、時給ベースで見た場合3000円程度、月給ベースでは60万円が相場。業界で、特にネットワークエンジニアの場合、大型プロジェクトの経験を持っている人はなかなか市場に出てこない。データベース関連でも設計からチューニング、メンテナンスまでできる人材は圧倒的に少ないからである。

 上級SEやPLに対する需要はさらに強い。たとえば、ERPパッケージの導入・コンサルティング、データウエアハウスの構築、セキュリティシステムの管理・構築などの職種は時給4000円以上が相場であり。時給5000~6000円が中心で、さらに上昇傾向にある。また、業務知識、顧客折衝能力を兼ね備えた人材に対するニーズは強い。

 コンサルタントや上級SE、プロジェクトマネージャー、中国・インドなどで現地開発陣との橋渡しとなるブリッジSEなどでは時給5000円、月収100万円が相場となっているようだ。顧客の要望を聞いて基本設計までできる人材はどこの会社も狙っているようだ。

 今後の動向について、スキルのあるなしで賃金格差がいっそう進み、二極化が加速すると予測できる。こうした中で、この仕事しかやらない、というのでは難しい。現在加わっているプロジェクトの中で、できる仕事の幅を広げていく努力をすることが大事である。また、スペシャリティだけで勝負するのは困難になるでしょう。マネジメントを含めた広い視野を身につけるよう心がけるようにしたほうがよい。