技術者の将来について


 現在日本では、フリーの技術者が非常に増えたせいか、ソフトウェア開発会社は、各プロジェクトごとにチームを作り、そのための必要な人材を派遣会社より即戦力の人材を集めている。最初はプロジェクトの要件定義から始まり、全体のテスト、メインテナンスまでそれぞれ必要な人材を準備する。経済がデフレの影響を受け、企業はコストダウンが必要なため、即戦力の人材だけをだけを使うためだ。

 一件この流れは正しい流れに見えるが果たしてそうだろうか?問題は、これでは新人がまったく育たないことである。3年ほど前にITバブルで企業は経験がなくてもJavaの技術者を募集し、教育して育てたその結果2~3年生のJavaのプログラマーが生まれてきた。当社は、新人を売り込もうとするのに相当な労力を費やしても取ってくれる会社は皆無である。ソフトウェア企業は、そんな余裕はないのである。

 果たしてこのまま新人が育たない環境で技術者の将来があるのであろうか。最悪なのがCOBOLの技術者である。突起した銀行系もしくは販売管理系の構築経験したものは、次の業務を得られるのはたやすいが、それ以外の汎用機のコーディングの修整をやってきた方は、半年間も職がないなど大変な状況になってきている。1年以上もブランクがあれば、次の業務に就ける可能性が低くなり、その人材はこの技術者業界から運営系もしくは他業種へと転職を余儀なくされる。その上、COBOLの技術者が定年を向かえるなど相当な人材が失われてしまうであろう。汎用系は、銀行業務システムなどをはじめ今後なくなることはないが、優秀な人材が失われていく。

 ソフトウェア開発企業は、新人を育て上げることを少しでも進めないと今後の著しい人手不足になるのは間違いないであろう。